【ニュース】ニューヨークをのみ込む中国資本

中国がニューヨークをのみ込んでいる―。12日付ニューヨーク・タイムズは、中国人による米ニューヨークへの不動産投資が過去数年で急増していると報じた。実際に中国の銀行は昨年、10億ドル(約770億円)をニューヨークの不動産につぎ込んだ。中国企業はニューヨークのランドマークであるエンパイア・ステート・ビルのほか、米同時多発テロで倒壊したワールド・トレードセンターの跡地に建設中の「ワンワールド・トレード・センター」に入居する契約を相次いで結んだ。

 同紙は、こうした現象について、1980年代の日本資本によるニューヨーク投資を連想させると伝えた。日本は当時、急浮上した経済力を背景として、もう一つのランドマークとして知られる「ロックフェラー・センター」を買収した。

 中国の投資は増えているが、事実は公表されないことが多い。中国企業が公表を嫌っているためだ。しかし、米国債の最大の保有国である中国は、外貨資産の多様化、企業間提携の強化、外交手段としての活用を見込んで、中国企業の海外投資を奨励している。

 特定の開発プロジェクトに50万ドル(約3800万円)を投資すれば、永住権を与える米国の投資移民制度(EB-5)も中国資本の米国流入を促進した。ニューヨークのブルックリン地区では、中国資本が同制度を利用し、2億4900万ドル(約191億円)を複合開発プロジェクトに投資した。

 ニューヨークが持つ経済的、文化的な象徴性も中国人がニューヨークに対する関心を高める要因とみられる。中国の海外交流機関「チャイナ・センター」の雪ア(女へんに亞)会長は「人々がニューヨークに押し寄せるのは、ニューヨークが全世界へのスタート地点になっているからだ」と述べた。中国の通信社、新華社が最近、ニューヨーク中心部のタイムズスクエアに広告を設置したのもそれと無関係ではない。

 中国資本によるニューヨークへの投資が増え、ニューヨークを訪れた中国人は昨年、26万6000人を数え、前年を45%上回った。自ずと中国人を対象とした不動産仲介業も活況だ。業界関係者は「中国人富裕層から高級住宅に関する問い合わせが増えており、一部物件は3000万ドル(約23億円)もする。今年のニューヨーク不動産市場の流行語は『中国人』だ」と語った。

【記事】朝鮮日報朝鮮日報日本語版