【記事】中国車の先進国市場進出は時期尚早=「欧米車には勝てない!」―英紙

2011年10月30日、英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)に「中国自動車メーカー、先進国市場に照準」という論説が掲載された。現段階で、中国の今年の自動車輸出は昨年比75%増。中国自動車業界は国内販売が頭打ちとなる中、輸出拡大に期待、抜本的な変革を推進している。11月1日、新華網が伝えた。

08年の世界的金融危機が、低コストモデルから高付加価値経済モデルへ転換する好機になることを、中国は願った。自動車市場アナリストの中には、中国は早くも「世界の自動車工場」という大志を実現するだろうという者もいる。中国車の輸出が増大するにつれ、欧米先進国市場を代表するフォード、フォルクスワーゲントヨタなどのメーカーは果たして、中国は脅威と見なすのか、それとも従来通り、中国は新興市場を開拓していくだけなのか、注目が集まっている。

フィアットクライスラーのCEOを務めるセルジオ・マルキオンネ氏は今年8月、米ミシガン州で開催された自動車業界の会議で「中国は全生産台数のほんの10%を輸出しているにすぎないが、我々が国内市場で直面しているリスクは巨大だ」と注意を呼びかけた。中国の自動車年間生産量は2015年に3000万台を超え、2020年には4000万台に達するとの見方もある。中国の大型国有自動車メーカーである奇瑞汽車、江淮汽車、力帆集団はそろって海外拡張計画を策定、海外工場の建設を予定している。

アナリストによれば、ラテンアメリカ・中東・ロシアなど現有主要市場以外での中国の成功は約束されていない。輸出が盛んになっている主な誘引は、疲弊してきている国内需要に対し、中国の自動車メーカーが急激な生産増を必死で継続していることにあるという。独コンサルティング会社のローランド・ベルガー上海事務所の張君毅アナリストによれば、「中国国内市場においてでさえ、国産車は欧米の自動車に勝ち目はない。欧米市場では言うまでもないことだ」と分析する。

【記事】レコードチャイナ