労働争議に気をつけろ!
中国では労働争議が増えつづけており、12年間で13.5倍になりました。
また、最近の企業の敗訴率は80%以上であり、訴えられたらまず負けると言えましょう。もちろん労働者を搾取するような労働慣行はご法度ですが、まじめにやっていても足元をすくわれないために、企業はどのような対応をしたら良いのでしょうか。
誇大広告社員の増加
新しい労働法では解雇するときの補償金が強化されました。
当然、面接で誇大広告して高い給料で入社して、首にしてもらって補償金をせしめるという不届きな労働者がふえることが予想されます。
特に中国人の場合はできないことをできると言って平然としている人が多いように見受けられます。
したがって入社時の審査は慎重に行い、相手の言うことを鵜呑みにせず、例えばPCや機械操作などは実地試験を課すなどとして確認しましょう。
なお、試用期間を長く(例えば6ヶ月)したい場合は、契約期間を3年以上にする必要があります。
<不当解雇>の罰則強化
いままでは一年に一度理由なく首にすることが可能でした。
しかし、新労働契約法では契約期間を長く設定せざるを得なく、その間は理由がないと首にできなくなります。
理由無く解雇した場合は訴えられた場合に罰則規定で2倍の補償金を支払うハメになるかもしれません。
したがって積極性がない、責任感がない、などの理由で首にすることはかなり難しくなったといえるでしょう。
しかし、やる気のない社員は必ずなんらかの指標でそのやる気の無さを表すことができるはずです。
例えば電話での顧客へのコンタクトの数、製造現場での不良率、、、このようなデッタを何種類も蓄積し、客観的に解雇の理由を説明できるようにしておきましょう。
書面での契約は必須
契約書はなんとしても紙で結びます。
トイレットペーパーでも何でも良いのでとにかく紙で結ぶ必要があります。
なぜなら契約から1ヶ月以内に書面で契約を結ばなければ、労働者に2倍の給与を支払わなければならないからです。
例えば一年後に労働者が訴えた場合、一年分二倍の給与を支払うことになります。
東莞などでは社内規定が労働法に抵触していることを恐れて書面で契約を結ばないことが多いようでしょう。
今回の法改正でそれどころではなくなったといえるでしょう。
(ちなみに書面で結んだ契約書が労働法に抵触している場合、その部分は無効とされます。)
また、労働者に<正式採用するが未定なので契約書なしでようですか>と提案するのも墓穴を掘る元です。
それから、何回固定期限契約を結んだが記録しておく必要があります。
うっかり3回連続で固定期限の契約を結ぶと、これまた毎月二倍の給与を支払わなければなりません。
残業代の支払い義務も強化
残業に関しても、退職時に莫大な残業代を請求されないように注意しましょう。
特に管理職について残業代を一切支払わない企業が多いようですが、それが合法的なものが確認する必要があります。
労働法には企業が残業を<命じた>場合に残業代を支払うこととするので、管理職でも土曜出勤などが半ば義務化している場合は、残業代を支払う前提で給与を決定しましょう。
また、うちは管理職はタイムカードを使わないから安心>ともいえません。
複数の証人など信頼出来る証拠があれば残業ありとされます。
ちなみに、高級管理職や外回りの営業職などについては残業代の必要ない不定労働制も考えられますが、当局への申請が必要ですし、事前に工会などの同意も必要で、企業が勝手に決められません。
労働法の一番のお勧めは代休を取らせることです。
これなら休日に出勤させて何倍も支払う必要がありません。あくまでも人員に余裕をもたせ、週40時間労働に近づけるのが王道です。
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