【記事】中国人に日本式ビジネスマナーを教えるコツ

中国人は日本のビジネスマナーの理解が乏しい

最近、留学生を中心として、日本で働く中国人が増えてきている。
2010年には70万人といわれ、内訳は、永住者が17万人、留学生が14万人となっている。

そこで、現在問題となっていることは、日本で働く中国人のビジネスマナーである。

日本語が解るので、ビジネスマナーを一般的な日本人のテキストで勉強することが多いが、ビジネスマナーそのものを本当の意味で理解できていない中国人が多い。

それは、電子辞書、インターネット等で検索してわかったつもりでいるが、その日本人のやり方、考え方を実際に経験していないことが原因である。

中国人は日本のビジネスマナーを勉強する機会がない

日本人であれば、多かれ少なかれ社会人になるまでにビジネスマナーに自然と触れる機会もあるだろう(日本人の学生でも、ビジネスマナーを知らないものもいるが)。
中国人の場合、来日後、日本語学校、専門学校、大学等でビジネスマナーを勉強しなければならないわけだが、授業で教えていない学校も多く、生活費をねん出するためにアルバイトに精をだすことになり、そこでは友達言葉(いわゆる「ため語」)で話し方を覚えることから、ビジネスマナーを覚えることはできないし、教えてもらう機会がない。

そのような中国人が日本社会に入って来ると、ため口でしか話ができないし、マナーを知らないので、一緒に仕事をする日本人のストレスとなっている。

日本と中国との文化慣習は異なるのだから、その相違を知ってビジネスマナーを教えないと効果がない。日本語をストレートに中国語に翻訳しても、中国語では意味が異なることが多いし、中国人は面子があるので、知ったかぶりをし、結果的に理解できないことが多い。

中国人を使うコツ

私の会計事務所でも現在中国人の社員が数名おり、10年以上中国人を雇用し、数十名の中国人を使ってはじめて中国人の使い方がおぼろげながらわかってきた。
以下、私の事務所における中国人の使い方を伝授する。

まず、中国人の特徴を知ることである。列挙すると以下のとおりである。

(1) 謝らない。謝ることができない。謝り方を知らない。
(2) 察することができない、しない、察することを知らない。
(3) 中国人は、思いこみで意見を言う。
(4) 自己中心である。
(5) 自分の非を認めない。
(6) 日本語の意味を理解できていない。
(7) 責任を取りたくない。
(8) 中国人同士で教え合うことができない。

  そのことを頭に入れ、日本人が中国人を使う心構えは以下とおりである。

(1)上杉鷹山山本五十六の言葉ではないが、<1.やって見せる[模範]>、<2.やり方を教える[指導]>、<3.その通りに、やらせる[模倣]> の原則が必要である。

(2)自己主張が強いので、まず、相手の主張を聞いてあげる、丁寧に説明する、あいまいな表現をしない。

(3)明確なインセンティブを示す。

日本では、中国出身の日本人になってもらおう

結論は、中国の土俵(中国)で中国人を使う方法と日本の土俵(日本)で中国人を使う方方法は異なっている。現在流通している中国、中国人についての解説本はまず通用しないことである。
そして、基本は、中国出身の中国人ではなく、中国出身の日本人となってもらうことである。

【記事】サーチナ