【記事】中国撤退?“捲土重来”の気概で再挑戦しよう

中国に進出して事業を展開してみたが、期待したような成果が上がらず、撤退する企業も少なくない。特に、飲食業には、その傾向が強いようである。「日本食は健康食であり、中国でもうまくいく」という考えで進出したところ、その思惑がはずれて引き揚げたというわけである。こうした企業に対して、“捲土重来”の気概で再度挑戦することを勧めたい。そのための手立てを探ってみよう。

1.真の原因は何かを深く分析する
  進出した事業がうまくいかず撤退する場合には、どこの会社でも、その原因を分析するのであるが、その分析が的外れであったり、本質を衝いたものになっていなかったりするケースが多いものである。このため、失敗の原因を探る場合には、真の原因というか、本質的な原因を探り出すことが、きわめて重要である。

2.“食文化”という背景を見逃さない
  真の原因、本質的な原因の具体的なものとしては、飲食業の場合であれば、食文化が挙げられる。日本食は、日本の食文化が長い時間をかけて作り上げてきたものである。「日本食は健康食である」ということだけでは、中国には受け入れられないだろう。というのは、中国には、当然中国の食文化があり、それへのこだわりがあるからである。

3.両国の食文化の違いを明確にする

  食文化の異なる中国に進出する場合には、中国の食文化について、徹底的に研究することである。しかし、それだけにとどまってはならない。日本の食文化についても、よく研究することである。両国の食文化の違いを明確にすることが肝心である。というのも、違いが明確にならないと、具体的な対策、戦略・戦術を練ることができないからである。

4.できるだけ多くの代替案を用意する
  両国の食文化の違いを明らかにしたら、再度挑戦するための具体的な戦略・戦術を案出することになるが、そのポイントは、できるだけ多くのオルタナティブ(代替案)を考え出すことである。そのためには、まず大局的な対策である戦略を策定し、その戦略を展開するための具体的な作戦すなわち戦術をいくつか案出する。

5.状況に応じて柔軟に対応する
  このような対策を練って実際に事業を展開したら、その展開の仕方と売り上げなどの業績の状況をつぶさに見て、それぞれの状況に応じた運営を行うことである。すなわち、事前に考えた多くの代替案の中から、その状況に最適な案を選択して、直ちに実行することである。状況に即応した柔軟な経営を心がけていけば、失敗の繰り返しは回避できるはずである。

【記事】サーチナ