【記事】世界経済は厳しい状況、中国は発展通じ貢献=王副首相

中国の王岐山副首相は21日、世界経済は非常に厳しい状況にあるとの見方をあらためて示した。王副首相は米中合同商業貿易委員会(JCCT)で「不均衡な回復は、均衡の取れたリセッション(景気後退)よりはましだろう」と発言。 

 「世界経済の状況は引き続き暗く、景気回復を確実にすることが何より重要」との考えを示した。

 副首相の発言は、世界経済の不均衡是正よりも、自国経済の成長押し上げを中国は優先すべきとの考えを示唆している。また米中の貿易問題が解決されなくても、中国が高い成長を遂げるほうが、中国経済の減速よりも世界経済にとっては望ましいと主張しているようにも受け取れる。

 王副首相は「経済大国として、米中両国は着実な発展を通じて、世界に貢献していく」と述べた。

 JCCTのため中国を訪問中のブライソン米商務長官は、中国当局が成長支援に向け、「戦略的産業」と位置付けるセクターに対し、向こう5年間で10兆元(1兆7000億ドル)を投資する計画を確認したと明らかにした。

 10兆元という規模は、中国が2008年の金融危機時に発表した4兆元の大型景気対策の2倍以上に達する。

 中国はこれまで、代替エネルギーやバイオテクノロジー、高性能機器製造など、環境・ハイテクセクターを戦略的産業に位置づけている。

【記事】livedoor news