ブルーネット人材 大原氏が“ずばっと”徹底回答!PART1

ブルーネット人材 大原氏が“ずばっと”徹底回答!
【お客様からの問合せ】
部材調達がうまくいかない。ベンダーより責任ある回答がえられず生産計画に支障をきたしている。このためこの機能(調達)を調達専門会社として切り離しそのトップをローカル
(日本に帰化した中国人)に任せようとしている。

今回の件は決まったお答えがあるわけではなく主観がかなり入る内容のものです。
私なりの個人的な経験、いろんな会社の人事案件を見聞きした経験を基にお答えさせてもらいます。

【お客様の狙い】
①日本人が通訳をつれて部材進捗管理をしても埒が明かない。
②ローカルに責任と権限をもたせ判断のスピード感をもたせる。
③分社化することで給与待遇などを差別化し高待遇をする事でモチベーションをあげる。

1.お客様:日系の会社でトップに中国人をすえ、うまくいっている会社はあるのでしょうか、
またうまくいかせるための要諦は?問題点は?

大原氏:最近の人材募集状況から幹部に中国人や非日系人を起用する傾向がかなり強く見受けられます。

たくさんの中国人大学生が日本で教育を受け、就業経験をもった
中国人が日本人並みの給与で採用をされてきています。

①ただ日系企業の場合はまだトップに非日系人を据える企業はまだまだのようです。トップに非日本人を雇用する傾向も、今後急速に増加すると思っています。

最大の課題は、日本側本社や日本人オーナーとの信頼関係が作れるかということです。
現地での経営能力は往々にして日本人より優れているケースが多いです。

一方、対日本企業を相手にした場合、交渉等で根回し力やなによりも日本人がこだわる誠実さや清廉潔白さが気になります。

大手で長く勤務した非日本人を現地トップにする例はよくあります。
日本人従業員になりきっていることから、問題になるようなことは少ないと思われます。
中小企業で数年しか雇用経験がないケースで現地企業の幹部やトップになるとトラブルが出てきます。

財務経理と人事管理をしっかり押さえることと、ワンマン経営にさせないようコントロールすることが良いと思います。


2.ローカル化する場合に、かつ調達というベンダーとの人間関係管理に気を使う会社のガバナンス管理に必要な注意事項は?(キックバック管理など)特に売買取引がからむ人間管理は?


大原氏:人材のローカル化で最も気になるのが、通関関係と並んで購買資材の部門です。
ほかに消耗品副資材を扱う部門の資材購買の関係で不正の温床になっています。

単に人材を変えても其の会社が習慣付いていると、継承されていくだけという話も多々聞きます。下手にベンダーを変えると生産が機能しなくなるといわれて泣き寝入りケースが多いです。

断ち切るにはどうするか?ベンダーも担当も総入れ替えをするしかないですが相当のリーダーシップを持った人をトップにするべきでしょう。

その意味では中国人をトップにするのは、思い切りが日本人より良いので適任と思います。もちろんその中国人は前項に述べた適格者でなければなりません。

私はさらにその補助策として経験ある会計コンサルタントと契約し、アドバイザーとチェック役にするのが良いと思います。

3.その他アドバイスいただけること。貴社が目にした失敗事例、成功事例などを教えて下さい。

大原氏:中国人を幹部にした時の成功と失敗は数限りあります、成功例として言われる欧米系企業は幹部のローカル化が進んでうまくいっているといわれます。この基本は優れた人材を探して、不正など起こり得ないような高待遇を与えることです。
権限移譲もそれなりに日本企業よりは徹底しています。

優れた中国人人材は必ずいますが、日本人以上の高待遇が出せるかが問題でしょう。

私は不正経費の削減や購買費の節減などを含めた財務改善目標達成をインセンティブ給与にして雇えば可能ではないかと思います。

さらに不正の起きやすい職務はかなり限定されます。その面では先に述べた財務会計コンサルの会社をうまく使い不正チェックをさせることが良いと思います。

華南地区での研究開発技術者採用について
研究開発部門を工場から切り離して別会社にするケースは、大手ではよくあります。

【理由は待遇と場所】

① よい技術者を招聘するために、工場の技術者と研究開発技術者を切り離した
給与待遇を構築するため。

② 工場の場所では研究開発技術者が来てくれないので、市街地や環境のよい場所に事業所をつくる。例えば東莞工場から研究開発部門を深センへ移し、深セン戸籍を取り易くする

また、調達部門を別会社にする場合、不正な目的を断ち切ったり、ベンダーとしがらみある担当者を辞めさせる事は、一定の効果があるかもしれません。

当然、中国人トップで事務所にいて、その上に日本人が工場に常駐をし信頼関係をチェックする人事管理も必要です。    

                                                                                                                    • -

★華南企業給与レポート2010年度版 好評発売中
★第9回人事労務セミナー;9月16日(金)深セン、9月23日(金)広州

 テーマ;トラブル事例から学ぶ人事労務リスクマネジメント」シリーズ

     その一 人事データ管理不足による法的リスクと対策

                                                                                                                    • -

 ★問合先:ブルーネットグループ 市場部お客様センター
TEL: +86-755-8633-8194日本語/中国語対応 
E-Mail   :epm@bluenet.cn
ホームページ:www.bluenet.cn
EPMブログ  :http://d.hatena.ne.jp/epmclub/
新浪ブログ :http://blog.sina.com.cn/epmclub
Twitter   :http://twitter.com/shenzhen_cn