15倍(中国国内業種間の賃金格差、世界最大に)

中国改革開放30年以来、ニューリッチ層が現れたなど、財産分配不均衡の問題が厳しくなってきています。

昨年、多数の省市は最低賃金を再調整したが、人力資源・社会保障部賃金研究所が発表した最新データにより、中国国内の業種別賃金の格差は最大15倍となり、世界最大となりました。

中国国家統計局が2010年に発表したデータにより、証券業界の賃金は全業界平均賃金の6倍になり、賃金が最も高い業種と最も低い業種との間に、11倍の開きがありましたが、2011年にこの格差はさらに厳しくなり、15倍に広がっていました。

一方、2006年度から2007年度の時点で、日本やイギリス、フランス等の国内業種間における賃金格差は約1.6倍から2倍でしたが、ドイツ、カナダ、アメリカ、韓国は2.3倍から3倍の水準でした。

収入格差が広がる主要要因として、農民工の賃金は長期的に低く抑えられすぎたことが考えられます。

同様な仕事を従事するのに、都市戸籍のスタッフの賃金は農民工の倍または2倍になるのが現実です。

大抵の国では、最低賃金は社会平均賃金の40%〜60%の水準に設定されることが多いが、2008年に長江デルタと珠江デルタの9都市で行われた調査により、農民工の賃金と同都市の一般スタッフの賃金と比べると、40%を超えたところがほとんどなかったと言います。

格差が最も大きい東莞市において、スタッフの平均賃金が3,293元に対して、農民工の賃金は971元でしかなく、30%にも及びませんでした。

それに関連して、去年から始まったワーカー不足やストライキ事件など一連の労務紛争を経て、政府も最低賃金の引き上げや集団賃金協議制度の強化など、現状を打破し、業種間賃金格差をなくすよう、様々な政策を打ち出しています。

企業は経営上どう対応していくかは、今後の法律政策を見極める必要があります。