【記事】中国ホットマネーの流入急増に直面、世界的な金融市場の混乱で

世界的な金融市場の混乱が中国への投機資金の流入急増を招いている可能性がある。投資家は同国の成長と人民元上昇を見込んでいる。

中国人民銀行中央銀行)が21日発表したデータによれば、同国の銀行が人民銀への外貨売りで蓄積した人民元のポジションは8月に3769億4000万元(約4兆5100億円)の純増となった。純増額は7月を72%上回り、過去5カ月で最大。エコノミストは、いわゆるホットマネー(投機的な短期資金)流入の兆候としてこうした数字を注視している

資金流入により、人民銀のインフレ抑制と不動産市場における資産バブルのリスク抑制に向けた取り組みが複雑なものとなりかねない。

銀行向けの預金準備率は既に過去最高の水準にあり、人民銀は資金吸収のため国債発行に頼らざるを得ないかもしれない。

みずほ証券アジアの香港在勤エコノミスト、沈建光氏は21日、北京でのインタビューで、「先月の世界的な混乱と他の地域の低い利回りを考えれば、資金が中国に流入しているのは明らかだ」と指摘。「中小企業が直面している流動性の逼迫(ひっぱく)からみて、人民銀が預金準備率をさらに引き上げるのは難しいだろう」との見方を示した。

【記事】ブルームバーグ