【記事】中国の11月工業生産12.4%増 2年3カ月ぶりの低さ

中国国家統計局が9日発表した11月の工業生産は前年同月比で12.4%増えた。中国経済をけん引してきた自動車の生産がマイナスとなったことなどから、2009年8月の12.3%増以来の2年3カ月ぶりの低い伸びとなった。

中国経済の減速感が鮮明になっており、中国共産党と政府が近く開く年に1度の中央経済工作会議では、主要な政策目標を今年の「インフレ抑制」から「成長促進」に転換する公算が大きい。

 主要産品をみると、自動車が前年同月比1.3%減となり、エチレンも1.9%増にとどまった。2けた成長が続いていた鋼材も7.8%増に減速し、発電量も8.5%増にとどまった。

中国の電子部品メーカー幹部は「景気の不透明感が高まっており、多くの企業が生産抑制に転じている」と話す。

 9日午前に発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.2%上昇した。伸び率は4カ月連続で鈍化し、2010年9月以来1年2カ月ぶりの低水準となった。中国政府はインフレに一定の歯止めがかかったとみている。

【記事】日本経済新聞