ブルーネット人材発 人的資源マネジメント情報シリーズ(四)華南地域日系企業 賞与状況について

ブルーネット人材発 人的資源マネジメント情報シリーズ(四)
調査報告――華南地域日系企業 賞与状況について

毎年、春節前後はボーナスの話題で敏感なシーズンとなっております。
特に昨年に話題になった一連の労務問題が生じたことを背景に、ボーナスや賃上げの時期と金額について、労使双方とも慎重な態度を持つようになっている状況です。

ブルーネット人材では、毎年11月から翌年の1月に『華南地区日系企業 賞与及び昇給に関するアンケート調査』を行っております。今回より二回に分けて賞与と昇給のそれぞれの結果についてご報告をさせていただきます。

まずは賞与に関しまして、二年連続で調査結果を分析したところ、いずれも春節前に一括支給を行い、金額は一ヶ月分の給料が主流であると分かりました。

ただし、2010年1月にまとめた調査結果では、2009年に賞与支給実績がなかった企業が17%、2010年に賞与支給予定がなかった企業が14%という結果が解明されました。

理由としては2008年の金融危機による業績の落ち込みに大いに影響されたことを読み取れます。

一方、2011年1月にまとめた調査結果では、2010年に賞与支給実績がなかった企業と2011年に賞与支給予定がなかった企業の割合は4.2%と2.1%まで下がりました。
2009年の中国経済V字型回復で多くの企業が業績の向上となりました。

その後、2010年はワーカ不足や日系企業を中心に起きたストライキ問題の影響を受け、年末の賞与は支給額の金額とは関係なく、安定した「企業経営」及び「企業戦略」を行うのにあたり、余儀なくされる手段となったと考えられます。




賞与金額(給料をベースに)から見ると、2009年の賞与支給実績は平均1.19ヶ月分の給料と2010年の賞与支給予定は平均1.27ヶ月分の給料となります。

それに対して、2010年の支給実績は平均1.38ヶ月分の給料で、2011年の支給予定は1.37ヶ月分の給料という多少の上昇を見せました。

そして、二年連続で支給の実績と予定の最大値はともに4ヶ月分の給料だという結果でした。
支給時期から見ると、春節前にボーナスを支給する企業は二年連続半数近くを占めますが、春節後のタイミングでボーナスを一括支給する企業の割合は7%から16%まで上昇傾向です。

中国では、ボーナスの主な使い道として、ほとんど春節帰省中の出費になりますので、支給時期が春節前にあるのが従来の習慣です。

しかし、近年では、春節明けの人員流動性の高さや帰省者が戻ってこないケースが増えつつあることから、従業員に対し人情味の薄い政策を取らざるを得ない企業が多くなってきたのが現状です。

中国に長い方々はご存知かもしれませんが、国民性として給料や賞与の額面の公表は非常にオープンであり、周囲の人のみならず、ツィッターやブログで「給料を晒す」人も数多くいます。

もともと一年のご苦労に感謝の意を表す福利厚生の一環であるボーナスの支給は、下手すると従業員の仕事意欲がなくなったり、社内でもめたりする理由になる可能性があります。

私たちはお客様からそのような相談を受けた際、周りの企業のやり方などをご参考になさるようご提案させていただいております。

次回は『華南地区日系企業 賞与及び昇給に関するアンケート調査』における昇給の話題を取り上げて、お話をさせていただく予定です。

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